地衣類ネットワークスクール

Facebook で地衣類ネットワークグループを初めて2年が経過しました.北は北海道、南は西表島までの80名を超える方々にネットワークも広がりました.多くの質問を受け,私自身の勉強の強い味方となっています。1年を機会にグループを地衣類ネットワークスクールに変え,フリースクールとして皆様からのお気軽に質問や相談を受けたいと思います.本スクールは入学試験はありませんが,在学生の紹介や管理者の承認で入学することができます.
 大学での講義や実験の資料の内容に手を入れて,スクールのテキストやオンラインミニ講義資料,オンラインフル講義資料,秋田県立大学における講義資料,実験資料としてこのコーナーに順次掲載します,またその他の資料も掲載し,参考図書も紹介します.
 講義資料のダウンロードはパスワードが必要です.パスワードはFacebook内の地衣類ネットワークスクールでお知らせします.在学生以外の方で必要な方は入学手続きをお願いします.なお,すべての資料の内容(写真,図,表,文章)については個人利用のみとし外部への紹介はお断りします.
 在籍数 179 名(2021.3.25 現在)

テキスト/オンライン公開講義資料/オンラインミニ講義資料/オンラインフル講義資料/その他資料/実験参考器具等/参考図書

テキスト

スクールのテキストは以下の通りです.

「地衣類初級編 第2版」-地衣学入門講義の内容の一部が載せてあります.
「地衣類中級編」-近畿や東北など各地の地衣類を紹介しています.
「地衣類上級編 日本の地衣類-630種-携帯版」-日本全国の地衣類の生態写真と種説明が載せてあります.
(できれば卓上版もダウンロードして頂ければと思います。)
「地衣類上級編 日本の地衣類-日本産地衣類の全国産地総目録」
「地衣類上級編 日本の地衣類-日本産地衣類の分布図録」

オンライン公開講義資料

 地衣学入門講座-地衣学の基礎と応用(地衣類の魅力)
第3回オンライン公開講義(講義時間60分間+質疑時間30分間)を2022年3月26日(10時半~12時)開催します.ZOOMミーティングを利用しますので,ライブカメラとマイク付きのパソコン,Wi-Fiが必須です.地衣類ネットワークスクールに在籍していない方でも受講可能ですので,受講を希望する方は管理者までご連絡をお願いします.

オンラインミニ講義資料

 Part I 地衣学初級講座
オンラインミニ講義 Part I(全6回,講義時間30分間+質疑時間30分間)第8期を2024年4月6日(毎週土曜日20:00~21:00)開始します.受講を希望する方は,Facebook上の地衣類ネットワークスクールに入学をお願いします.ZOOMミーティングを利用しますので,ライブカメラとマイク付きのパソコン,Wi-Fiが必須です.
以下の22名の方々(敬称略,アイウ順)が全回受講されましたので,修了証を授与しました.
・2023年(7期)5名: 足達優希,岡 かおる,小野美穂子,田中ゆきこ,三橋こずえ
・2022年(6期)1名: 浜田 弓
・2021年(4,5期)7名: 上田晶子,嘉数はるな,佐藤啓太,武末範子,福田 孝,藤田富二,吉富政宣
・2020年(1~3期)9名: 河合正人,佐藤幸子,中西花奈,中西有美,西村清蘭,枡岡望,坂東 誠,松原あかね,三輪実起

地衣学初級講座①-地衣類とは-宮崎特別バージョン 90 min
地衣学初級講座②-地衣類はどう増える
地衣学初級講座③-地衣類はどこで生きる
地衣学初級講座④-地衣類は自らをどう守る
地衣学初級講座⑤-地衣類の名前はどうつける
地衣学初級講座⑥-地衣類を利用する

 Part II 地衣分類学初級講座
2023年度のオンラインミニ講義 Part II(全7回,講義時間35分間+質疑時間40分間)第3期が終了しました.5名の方々が全回講義を受講されました.
以下の13名の方々(敬称略,アイウ順)が全回受講されましたので,修了証を授与しました.
・2022年(2期) 2名: 佐藤啓太,廣津大侃
・2021年(1期)11名: 明石一富海,上田晶子,臼庭雄介,岡田純二,佐藤幸子,武末範子,中里兼次,中西有美,坂東 誠,藤田富二,枡岡 望

地衣分類学初級講座①-分類・同定とは
地衣分類学初級講座②-葉状地衣類 I ウメノキゴケ科>
地衣分類学初級講座③-葉状地衣類 II ムカデゴケ科他
地衣分類学初級講座④-葉状地衣類 III 藍藻共生地衣類
地衣分類学初級講座⑤-樹状地衣類 I 垂下型
地衣分類学初級講座⑥-樹状地衣類 II 起上型
地衣分類学初級講座⑦-痂状地衣類

オンラインフル講義資料

地衣学講座
オンラインフル講義(講義時間40~60分間+質疑時間20~30分間)第4期(2023年10月~2024年1月)が終了しました.
以下の17名の方々(敬称略,アイウ順)が全回受講されましたので,修了証を授与しました.
・2023年(4期)3名:足達優希,上原政博,矢頭 勇
・2022年(3期)2名:武末範子,浜田 弓
・2021年(2期)5名:岡田純二,高橋雅彦,藤田富二,山崎玲,芳田尚子
・2020年(1期)7名: 石原峻,佐藤幸子,中里兼次,中島唯愛,中西花奈,中西有美,坂東誠

地衣学講座I-地衣類とは?
地衣学講座II-地衣類の分類
地衣学講座III-地衣類の系統・進化
地衣学講座IV-地衣類の生殖
地衣学講座V-地衣類の生育環境
地衣学講座VI-地衣類の生長・一次代謝
地衣学講座VII-地衣成分・二次代謝
地衣学講座VIII-地衣類の培養
地衣学講座IX-地衣類の形態形成・人工栽培
地衣学講座X-地衣類の生物活性
地衣学講座XI-地衣成分生産
地衣学講座XII-環境耐性
地衣学講座XIII-地衣類と人の暮らし
地衣学講座XIV-地衣類と動物の暮らし
地衣学講座XV-地衣類コンソーシアム

その他資料

秋田県立大学退職記念講義
大学院生に伝えたい科学的マネージメント
地衣類英和辞書(2022.5.30現在)

実験参考器具等
地衣類観察ツールファーブル(左)とデジタル顕微鏡(右).

自宅で地衣類の同定に大いに役立っています.ファーブルは実体顕微鏡ほどの倍率は望めませんが,まず手軽で簡単に地衣体を拡大して見ることができます.場所をとりませんので,自宅の3畳の我が書斎兼実験室にぴったりです.もちろん,必要なら野外に持ち出すことも可能です.デジタル顕微鏡はパソコンに直結して,パソコンで画面を確認できます.ピント調節が難しいですが,実体顕微鏡並みの倍率が稼げます.なにより,画面を保存できることと長さを測ることができることで重宝しています.同定する上でまつ毛や偽根,子器径など結構長さの情報は必須なのです.

顕微鏡接続デジタルカメラ オリンパスCAMEDIA C3040.

約20年間使っています.双眼接眼レンズの片方のレンズを外して装着し撮影します.実体顕微鏡にも生物顕微鏡にも,またオリンパスやニコンにも接続できる筒が便利です.「日本の地衣類」に掲載されている子器断面や子嚢胞子の写真はすべてこのカメラで撮影したものです.生物顕微鏡には対物レンズとして10倍,40倍,100倍レンズが搭載されています.子嚢胞子は100倍レンズを油浸して検鏡しています.

日亜化学工業社製UV-LED搭載3灯ブラックライト(ハンドライトタイプ)【PW-UV343H-03L】1880円です.

楽天で3年前に購入しました.野外での調査に活躍中です.照射して黄色になるゴンゲンゴケやクロボシゴケ、シラベノサネゴケと他種を区別することができます.UV波長が375 nmで,他のUVライトには254 nmの短波長タイプもあるようですので,お間違えないようにご購入下さい.

参考図書
和 書(図 鑑) 吉村 庸. 1974. 原色日本地衣植物図鑑, 保育社, 大阪.

日本地衣学会初代会長の吉村先生の著作です.
日本で初めての地衣類図鑑,地衣類研究者のバイブルです.残念ながら絶版になりました.
写真は乾燥標本なので,色は新鮮個体と異なりますが,解説は今でも通用します.
ただ,学名の多くは変更されています.

和 書(一 般) 盛口 満. 2017. となりの地衣類, 八坂書房, 東京.

現沖縄大学学長の盛口先生(ゲッチョ先生)の著作です.
地衣類ネットワーク主催の観察会の様子を楽しく読むことができます.
また,地衣類についても優しく解説しています.

中村 俊彦・古木 達郎・原田 浩. 2002. 野外観察ハンドブック, 校庭のコケ, 全国農村教育協会, 東京.

地衣類の初歩的な解説からライフサイクルまで丁寧に説明されています.
また,顕微鏡切片の作り方など実験的にも参考になります.
「校庭」という生態ですが,地衣類の写真が掲載されています.

大村 嘉人. 2016. 街なかの地衣類ハンドブック, 文一総合出版, 東京.

地衣類を初歩的なところから解説されています.
「街なか」で普通に見られる地衣類の写真が掲載されています.
和名が「日本の地衣類」とは違う種類もありますの注意が必要です.

寺村 祐子. ウールの植物染色 1984/続ウールの植物染色 1992, 文化出版局, 東京.

地衣類を材料にした染色方法が解説されています.

洋 書(生 態) Brodo I.M., Sharnoff S.D. & Sharnoff S. 2001. Lichens of North America, Yale University Press. New Heaven & London.

北米の地衣類の生態写真が掲載されています.
最初に書かれている地衣類の解説も詳細です.

Nash III T.H., Gries C. & Bungartz F. (eds). 2007. Lichen Flora of the Greater Sonoran Desert Region. Arizona State University

北米ソノラ砂漠に生育する地衣類を網羅しています.
個々の地衣類の解説が充実しています.生態写真も一部掲載されています.

Schumn F. & Aptroot A. 2012. A microscopical atlas of some tropical lichens fron SE-Asia (Thailand, Cambodia, Philippines, Vietnam). Herstellung & Verlag

東南アジア3ヶ国の熱帯雨林に生育する地衣類,特に痂状地衣類の顕微鏡写真が掲載されています.

Korea National Arboretum. 2016. Flora of Lichens in Korea, Korea National Arboretum.

隣国韓国の地衣類の生態写真が掲載されています.日本でもお馴染みの地衣類です.
Ⅰは大形地衣類,Ⅱは小形,痂状地衣類です.
説明はハングルと英文の両方です.

洋 書(その他) (Eds.) Kranner I, Beckett R. & Varma A. 2002. Protocol in Lichenology - Culturing, Biochemistry, Ecophysiology and Use in Biomonitoring. Springer-Verlag.

地衣類を材料にした初めての実験マニュアル集です.
地衣類の多方面に利用した実験手法が解説されています.

Huneck S. & Yoshimura I. 1996. Identification of Lichen Substances. Springer-Verlag.

地衣成分の構造と物理的データを集大成しています.地衣類を化学から研究する方にとってはバイブルです.